日本皮膚科学会雑誌
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原著
三次元培養系を用いたUVA照射によるヒト真皮由来線維芽細胞のI型コラーゲンおよびグリコサミノグリカンの変動の解析
横山 洋子石川 治宮地 良樹
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2002 年 112 巻 7 号 p. 953-959

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抄録

アスコルビン酸2リン酸を添加した三次元培養系ヒト真皮由来線維芽細胞に,長波長紫外線(UVA; 320~400 nm)を10 J/cm2を1回,または2 J/cm2を5回照射した.UVA照射後,高齢者真皮由来線維芽細胞では非照射群と比較して培養上清中のI型プロコラーゲンC末端プロペプチド量と細胞層中ハイドロキシプロリン量が有意に低下し,I型コラゲナーゼ活性は有意に増加していた.一方,若年者真皮由来線維芽細胞では一定の変化は認めなかった.細胞層中グリコサミノグリカン二糖量は若年者,高齢者由来線維芽細胞ともにUVA照射による変化は見られなかった.今回の実験結果から,コラーゲン代謝に関しては高齢者真皮由来線維芽細胞は若年者真皮由来線維芽細胞に比べてUVAの影響を受けやすいことが示唆された.

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© 2002 日本皮膚科学会
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