日本皮膚科学会雑誌
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生涯教育講座
単純化学物質の免疫学
相場 節也
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ジャーナル 認証あり

2004 年 114 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
皮膚科学の教科書を見ると私たち皮膚科医が知っていなければいけない皮膚病は1,000近くにのぼる.しかし,日常診療で私たちが,常日頃遭遇する疾患の大半は,大学病院などの特殊な病院で勤務している先生を除けば,接触皮膚炎を代表とする湿疹皮膚炎,白癬といっても過言ではない.白癬もその病態の本質が,白癬の菌体成分に対する接触皮膚炎と考えれば,私たち皮膚科医は,毎日接触皮膚炎に苦しむ患者を治療していることになる.しかし,それほど皮膚科医にとって一般的な病気である接触皮膚炎であるが,何故接触皮膚炎などという生体反応が存在するのかということはあまり議論されない.本稿では,私たちがこれまでに研究してきたハプテンを中心とした単純化学物質の皮膚あるいは,樹状細胞に対する影響の解析を紹介し,さらに,接触皮膚炎の生物学的意義について考察してみたい.
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© 2004 日本皮膚科学会
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