日本皮膚科学会雑誌
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原著
皮膚科における救急・緊急入院患者の特徴
加藤 しおり亀井 恭子河崎 玲子小西 さわ子今山 修平小林 良三古江 増隆
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2005 年 115 巻 14 号 p. 2401-2404

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抄録

2001年始めから2004年9月30日までの3年9カ月間に九州医療センター(700床,33診療科,地域医療支援病院)全体で42,204人の入院があった.その内当科入院の患者は712人(1.7%)であったが,緊急に限れば,直接に当科に緊急入院となった患者,および他科に一時的に緊急入院し最終的に当科入院となった患者は合わせて144人であった.その144人の内訳は,男女比63:81でやや女性が多く,年齢は4カ月から102歳(平均年齢:46.7歳)であった.疾患ごとには帯状疱疹,カポジ水痘様発疹症などのヘルペス感染症が32%と最も多く,他のウイルス・細菌と合わせると,急性感染症が全体の50%を占めた.また病院全体の救急・緊急患者のうち皮膚症状を発現して紹介された症例については,(全3年9カ月のうち)統計処理が可能になった後半の1年9カ月について検討した.その間の緊急入院5,795人の中で135人(2.3%)が皮膚科受診していたが,疾患は急性感染症・薬疹は少なく一般入院患者と同じ慢性疾患が多く含まれており,皮膚科の緊急症例は当初から皮膚科入院となっていた.事故以外の皮膚科の救急・緊急症例は急性感染症とアレルギーが大部分であることが示された.

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