日本皮膚科学会雑誌
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原著
悪性黒色腫における色素法,RI 法併用によるSentinel node biopsy の有用性について
高橋 聡山本 明史山崎 直也吉野 公二並川 健二郎西澤 綾岩田 浩明
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2006 年 116 巻 2 号 p. 179-184

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抄録

悪性黒色腫をはじめとする皮膚悪性腫瘍の手術治療は近年縮小傾向にあり,特にリンパ節郭清を決定する際に sentinel node biopsy が各施設で広く行われるようになってきた.その方法として従来は簡便な色素法によるリンパ節の検出が主体であったが,近年色素法に radioisotope 法(以下 RI 法)を併用した方法により,その有用性が報告されている.当院においても2002 年 4 月からRI 法を併用した方法により良好な成績を得ている.この併用法により正確に sentinel node を評価することができ,頭頸部領域原発でリンパ流の複雑な症例や躯幹原発で所属リンパ節が複数の領域にわたる症例,interval node やaberrant node を持つ症例などに対する効果的な手術範囲の決定が可能となってきた.当院における悪性黒色腫に対する色素法と RI 法を併用した方法によるsentinel node biopsy について検討し,その有用性を報告する.

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© 2006 日本皮膚科学会
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