日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
タキサン製剤による強皮症様皮膚硬化
簗場 広一伊藤 宗成谷戸 克己川瀬 正昭中川 秀己小林 直
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 116 巻 2 号 p. 201-207

詳細
抄録

タキサン製剤投与後に四肢に著明な浮腫とそれに引き続く強皮症様皮膚硬化を示した 2 例を報告した.症例1,37 歳女性.左転移性乳癌に対し docetaxel および paclitaxel を投与した.約半年後より四肢に浮腫が出現し,その後著明な皮膚硬化となった.症例2,66 歳女性.左転移性乳癌に対し docetaxel を投与した.4カ月後より左上肢,両下肢に浮腫が出現し,徐々に皮膚硬化となった.2 症例ともに病理組織学的には真皮の線維化と血管周囲性の単核球浸潤が見られたが,レイノー症状,爪上皮出血点を欠き,抗核抗体および全身性強皮症の疾患標識抗体は陰性であった.

著者関連情報
© 2006 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top