日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
クロモミコーシスと皮膚クリプトコックス症を合併したSLEの1例
林 周次郎大塚 勤橋壁 道雄山﨑 雙次長谷 衣佐乃武田 昭福田 健
著者情報
ジャーナル 認証あり

2006 年 116 巻 4 号 p. 455-460

詳細
抄録
1974年発熱,蛋白尿あり.全身性エリテマトーデス(以下SLE)を発症し,その頃より臀部に数cm大の赤褐色皮疹が出現,以後徐々に拡大.SLEに対し近医でプレドニゾロン内服の加療を受けていたが,ループス腎炎の増悪のため2003年6月11日当院内科入院.入院時右臀部に約20×17 cm大の境界明瞭な褐色の隆起性局面を認めた.組織学的に真皮内にsclerotic cellを認め,真菌培養所見よりクロモミコーシスと診断した.フルコナゾール(以下FLCZ)の全身投与,温熱療法を含む局所療法で治療し軽快した.一方,8月頃より左手背に壊死を伴う隆起性皮疹が出現.皮膚生検所見で脂肪層から真皮全層にかけてクリプトコックスの菌体と思われる小型の細胞が泡沫状に無数に存在した.真菌培養でクリプトコックスが検出され,皮膚クリプトコックス症と診断.FLCZの全身投与により真菌培養は陰性化した.皮膚潰瘍に対しトラフェルミン外用にて加療中,2004年2月4日にループス腎炎の悪化による腎不全のため永眠した.2種類の深在性真菌症を同時に罹患した稀な症例で,誘因としてCD4,IgGなどの低下があり,免疫不全が推定された.
著者関連情報
© 2006 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top