最近human immunodeficiency virus(HIV)感染者の増加に伴い,HIV感染に梅毒を合併する症例も増えてきている.今回,1992年1月から2003年10月までに東京医科大学病院皮膚科及び臨床検査医学科を受診した梅毒血清反応陽性者341名のうちHIV・梅毒混合感染者77名(22%)について臨床的に検討した.全例が男性であり,そのうち33名が同性愛者であった.HIV・梅毒混合感染者の顕症梅毒ではrapid plasma reagin(RPR),
Treponema pallidum hemagglutination test(TPHA)値が高値となる傾向がみられた.治療は,アモキシシリン(AMPC)を中心にペニシリン系抗生物質が通常用量投与されていた.投与期間は様々であったが,治療された53名中23名(43%)は4週間以下の投与であり,全例梅毒は略治した.
抄録全体を表示