日本皮膚科学会雑誌
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原著
DAC-Tam療法が著効した進行期悪性黒色腫の1例
高橋 聡山本 明史山﨑 直也
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ジャーナル 認証あり

2006 年 116 巻 6 号 p. 935-939

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抄録
55歳,女性.右腋窩の多発性リンパ節腫脹を主訴に前医を受診.近医による穿刺細胞診の結果はClass Vであり,腋窩リンパ節郭清術を試みられたが高度の癒着のため全摘出できなかった.一部摘出されたリンパ節に悪性黒色腫リンパ節転移の所見を認めた.全身精査では原発と考えられる病変を認めず当院へ紹介となった.当院で,以前黒褐色調を呈していた右肘内側の茶褐色斑を全切除生検したところ悪性黒色腫の自然消退と思われる所見を認め,右肘内側皮膚原発の悪性黒色腫リンパ節転移と診断した.当院ではまずDAC-Tam療法による化学療法を開始し,6コース施行した時点で画像所見上CR(complete remission)が得られ,画像上わずかに残存するリンパ節に対し郭清術を施行し病理組織学的検索をおこなったところ,郭清されたリンパ節は腫瘍壊死および瘢痕組織の病理学的所見でありviableな腫瘍細胞の残存は認められなかった.治療開始後18カ月が経過した現在も再発および新たな転移を認めていない.
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© 2006 日本皮膚科学会
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