日本皮膚科学会雑誌
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原著
各種外用抗真菌薬の in vitro 抗真菌活性の測定
南條 育子古賀 裕康坪井 良治
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ジャーナル 認証あり

2007 年 117 巻 2 号 p. 149-152

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抄録
わが国で医療用として使用されている外用抗真菌薬11 剤について,表在性真菌症の起因菌である皮膚糸状菌(Trichophyton rubrum および Trichophyton mentagrophytes)ならびに Candida albicans に対するin vitro 抗真菌活性を標準化微量液体希釈法で測定し,薬剤の特性を比較検討した.その結果,各菌種に対する抗真菌活性は薬剤の構造分類により差がみられ,テルビナフィン,ブテナフィンおよびリラナフタートの活性は,皮膚糸状菌に対して強く,C. albicans では弱かった.一方,アモロルフィンやアゾール系薬剤のケトコナゾール,クロトリマゾール,ミコナゾール,ネチコナゾール,ビホナゾール,ルリコナゾールおよびラノコナゾールは C. albicans に対してより強い活性を示した.これら薬剤の中で,ルリコナゾールおよびラノコナゾールでは,皮膚糸状菌に対しても極めて強い活性がみられ,最も活性の強いルリコナゾールでは,白癬の主要病原菌であるT. rubrum に対するMIC 範囲が≦0.00012~0.00024μg/ml に及んだ.これらの試験結果は,皮膚真菌症の治療にあたって,外用抗真菌薬を選択する際に有用な情報になると考えられた.
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© 2007 日本皮膚科学会
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