日本皮膚科学会雑誌
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117 巻, 2 号
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皮膚科セミナリウム 第23回 角化症
原著
  • 南條 育子, 古賀 裕康, 坪井 良治
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 2 号 p. 149-152
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    わが国で医療用として使用されている外用抗真菌薬11 剤について,表在性真菌症の起因菌である皮膚糸状菌(Trichophyton rubrum および Trichophyton mentagrophytes)ならびに Candida albicans に対するin vitro 抗真菌活性を標準化微量液体希釈法で測定し,薬剤の特性を比較検討した.その結果,各菌種に対する抗真菌活性は薬剤の構造分類により差がみられ,テルビナフィン,ブテナフィンおよびリラナフタートの活性は,皮膚糸状菌に対して強く,C. albicans では弱かった.一方,アモロルフィンやアゾール系薬剤のケトコナゾール,クロトリマゾール,ミコナゾール,ネチコナゾール,ビホナゾール,ルリコナゾールおよびラノコナゾールは C. albicans に対してより強い活性を示した.これら薬剤の中で,ルリコナゾールおよびラノコナゾールでは,皮膚糸状菌に対しても極めて強い活性がみられ,最も活性の強いルリコナゾールでは,白癬の主要病原菌であるT. rubrum に対するMIC 範囲が≦0.00012~0.00024μg/ml に及んだ.これらの試験結果は,皮膚真菌症の治療にあたって,外用抗真菌薬を選択する際に有用な情報になると考えられた.
  • 山本 純照, 榎本 美生, 多田 英之, 福本 隆也, 宮川 幸子
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 2 号 p. 153-157
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    患者は 17 歳,男性.頭頸部を中心に多発する基底細胞癌,大脳鎌の石灰化,両側手掌の小陥凹,家族歴(父に同症)および幼児期の髄芽腫から基底細胞母斑症候群と診断されている.増大傾向にある基底細胞癌を適宜切除していたところ,前頸部の半米粒大,skin tag 様の有茎性小結節が徐々に黒褐色調となったため,局所麻酔下で切除した.病理組織学的に,腫瘍は真皮浅層にのみ存在し,基底細胞様細胞が索状あるいは分枝吻合状を呈しながら増殖していた.また上皮索から発する毛芽様構造はあったが,毛球および毛乳頭構造はなかった.腫瘍塊内には角化性囊腫があり,囊腫壁は毛包漏斗部の上皮に類似した細胞により構成されていた.以上からこの腫瘍を,近年稀な基底細胞癌の一型として Ackerman らによって報告された infundibulocystic basal cell carcinoma と診断した.infundibulocystic basal cell carcinoma は最初の報告以来,その病理診断において,毛包上皮腫などとの異同が議論されてきたが,自験例は基底細胞母斑症候群患者に生じており,このことは,infundibulocystic basal cell carcinoma が基底細胞癌の一型であるということを支持していると考えた.
  • 新山 奈々子, 菅谷 和江, 山内 眞義
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 2 号 p. 159-162
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    34 歳,ジャマイカ人男性.C 型慢性肝炎の治療として,pegylated interferon alfa-2b とリバビリンの併用療法を開始したところ,内服開始2 カ月後に体幹,四肢に小指頭大の結節が出現してきた.皮膚病理組織像より結節型サルコイドーシスと診断した.胸部CT にて両側肺門リンパ節腫脹,眼科診察にて両眼のぶどう膜炎を認めた.プレドニゾロンの内服にて諸症状は速やかに改善した.
  • 村山 淳子, 谷口 裕子, 合田 正俊, 中村 恵理, 平井 優子, 小野 浩子, 本橋 尚子, 滝野 長平, 大滝 倫子
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 2 号 p. 163-168
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    6 名のハチアレルギー患者に対し,急速減感作療法を施行した.治療対象は蜂刺により血圧低下,意識障害,呼吸困難など全身症状を生じた人とした.用いた抗原は米国Hollister-Stier 社より輸入した.入院の上 1日2~4 回皮下注射し,約 2 週間かけて維持量に到達後,外来で月 1 回維持療法を続けている.治療中の副作用として,全例に局所症状,1 名に全身の蕁麻疹を認めた.維持療法中 2 名が再度刺され,1 名は局所症状,全身症状とも示さなかった.1 名は再度ショック症状を呈し,救命処置により死亡は避けられた.ショック症状を呈した既往のある症例では,維持療法中であってもエピペンの携帯が必要であると考えられた.
学会抄録
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