2007 年 117 巻 2 号 p. 163-168
6 名のハチアレルギー患者に対し,急速減感作療法を施行した.治療対象は蜂刺により血圧低下,意識障害,呼吸困難など全身症状を生じた人とした.用いた抗原は米国Hollister-Stier 社より輸入した.入院の上 1日2~4 回皮下注射し,約 2 週間かけて維持量に到達後,外来で月 1 回維持療法を続けている.治療中の副作用として,全例に局所症状,1 名に全身の蕁麻疹を認めた.維持療法中 2 名が再度刺され,1 名は局所症状,全身症状とも示さなかった.1 名は再度ショック症状を呈し,救命処置により死亡は避けられた.ショック症状を呈した既往のある症例では,維持療法中であってもエピペンの携帯が必要であると考えられた.