日本皮膚科学会雑誌
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原著
乾癬性関節炎を伴い抗環状シトルリン化ペプチド抗体が陽性であった汎発性膿疱性乾癬
福永 有希蒲原 毅池澤 善郎
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2008 年 118 巻 10 号 p. 1953-1959

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抄録
関節リウマチ類似の乾癬性関節炎を伴い,高度の滑膜炎が認められ,抗環状シトルリン化ペプチド抗体(以下:抗CCP抗体)が陽性であった汎発性膿疱性乾癬の1例を経験した.近年,抗CCP抗体は関節リウマチに特異的とされ,関節リウマチの早期発見・治療の目安として注目されている.乾癬性関節炎は進行すると不可逆的な関節破壊を伴う重篤な関節症状を引き起こす可能性があり,最近では関節リウマチに準じた治療が推奨されている.治療の指標として抗CCP抗体の有用性について検討した.乾癬性関節炎における抗CCP抗体陽性率は正常コントロールに比べて高く,重症例で高値を示すことから,重症進行例の予測因子になりうると考えられた.
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© 2008 日本皮膚科学会
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