2008 年 118 巻 10 号 p. 1977-1979
天疱瘡の予後を明らかにする目的で,順天堂大学医学部皮膚科外来に1981年から2001年の間に少なくとも1年以上治療あるいは経過観察を行った天疱瘡患者69例につき,2007年5月時点で調査を行った.その結果,26例(37.7%)が一切治療無しで経過観察されており,また1年以上症状が見られない,いわゆる「治癒」の状態にあることが明らかとなった.またこれら26例のうち,1例においてのみ,治療中止後5年後に頭部のびらんが生じた.天疱瘡では,致死率は非常に低くなっており,多くの症例が「寛解」または「治癒」の状態にあることが明らかになった.今後さらに「治癒」症例の解析を行う予定である.