日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
抗BP230抗体のみ高値陽性であった水疱性類天疱瘡の3例
大月 亜希子黛 暢恭池田 志斈橋本 隆
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 118 巻 11 号 p. 2219-2225

詳細
抄録

抗BP230抗体のみ陽性を示した水疱性類天疱瘡(BP)の3例を報告した.症例1:73歳,男.3年前より下肢に紅斑と水疱が出現.他院にて加療されるも改善せず,当科を受診した.副腎皮質ホルモン薬の増量と血液浄化療法により症状は速やかに改善した.症例2:54歳,女.2年前より顔面に水疱が出現し,徐々に全身に広がった.近医でBPと診断され,投薬を受けていたが,症状が悪化したため当科を受診した.副腎皮質ホルモン薬と抗アレルギー薬の内服により症状は軽快した.症例3:59歳,女.7年前よりBPの診断で副腎皮質ホルモン薬を内服していた.症状が悪化し,当科を受診した.副腎皮質ホルモン薬増量,血液浄化療法により症状は改善した.以後,寛解状態を保っている.上記3例では免疫ブロット法で抗BP180抗体は陰性であり,抗BP230抗体のみが陽性を示していた.また,全例でBP230のC末端部リコンビナント蛋白に反応する抗体が検出された.

著者関連情報
© 2008 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top