日本皮膚科学会雑誌
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原著
後頸三角部におけるリンパ節生検時に副神経損傷をきたした1例
濱 直人濱崎 洋一郎籏持 淳山崎 雙次
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2009 年 119 巻 5 号 p. 887-891

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抄録

29歳,男性.後頸三角部の皮下結節を主訴に当科を受診した.超音波検査にて結節は皮下の浅層に位置するリンパ節であると考え,局所麻酔下に生検を施行した.手術後,左上肢の疼痛および左上肢の外転挙上困難が生じたため整形外科を受診,医原性副神経損傷と診断された.生検後78日目に神経縫合術を施行し,術後7カ月で機能の回復をみた.医原性副神経損傷やそれに伴う医事紛争を回避するためには,後頸三角部の手術の際に医療事故が発生していること,この部位の診断治療は主に耳鼻科領域であることを認識し,皮膚科で安易に検査や手術の予定をたてない事が重要である.手術の際は合併症について十分に説明し,同意を得たうえで行うべきである.

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© 2009 日本皮膚科学会
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