2012 年 122 巻 3 号 p. 587-592
爪および爪周囲にみられる腫瘍性病変について解説した.メラノーマは成人後に単指(趾)に出現してきた色素線条で,早期病変はダーモスコピーで色素線条の幅と色の縦方向における不均一性(幅や色の急激な変化),爪小皮の色素沈着(micro-Hutchinson),爪周囲の皮膚の色素斑が皮丘優位,などの所見を伴う.有棘細胞癌は爪下に発生し爪の破壊や悪臭を伴う.その他の疾患として,グロームス腫瘍,爪下外骨腫(骨軟骨腫),骨膜性軟骨腫,粘液嚢腫,後天性爪囲角化線維腫,Koenen腫瘍,Infantile digital fibromatosis,Onychomatricoma,転移性皮膚腫瘍,尋常性疣贅,粉瘤,被角血管腫,神経線維腫,神経鞘腫,外傷後神経腫,Superficial acral fibromyxomaなどがある.