2012 年 122 巻 7 号 p. 1743-1746
皮膚一般細菌感染症は黄色ブドウ球菌,レンサ球菌が主体であるが,その他にもさまざまな細菌により特徴的な病態が惹起される.感染の深達度と付属器との関係などにより分類されている.本稿では小児に多い皮膚感染症である伝染性膿痂疹,尋常性膿瘡,せつ,丹毒・蜂窩織炎,ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群,汗孔周囲炎・汗腺膿瘍などについて概説する.時代の変遷とともにみかけなくなった疾患もあるが,忘れてはならない疾患でもある.細菌感染症に限らず,急性感染症であればempiric therapyが必要であるので,その診断に役に立てていただきたい.