2013 年 123 巻 12 号 p. 2227-2237
皮膚血管炎(皮膚型結節性多発動脈炎やHenoch-Schönlein紫斑病など)の病因として,抗lysosomal-associated membrane protein-2(LAMP-2)抗体と抗リン脂質抗体,特に抗ホスファチジルセリン・プロトロンビン複合体抗体(抗PSPT抗体)を挙げる.両抗体は,患者血清で有意に上昇した.皮膚血管炎モデルラット(env-pXラット)に抗LAMP-2抗体を静注し皮膚血管炎を再現できた.血管炎病初期の好中球活性化には抗LAMP-2抗体,血管壁フィブリノイド壊死には抗PSPT抗体が関与して皮膚血管炎が起こる推論を提示した.