抄録
水疱症の病因は表皮細胞や表皮真皮境界部の接着に関与する分子の障害であり,皮膚におけるそれらの分布や局在,機能などが多彩な臨床症状の形成に深く関わる.そのため本症の診断においては,分子レベルでの基礎的な理解を深めておかなければならない.表皮水疱症では免疫組織染色や電子顕微鏡検査,遺伝子検査などが病因分子の検出に有用である.一方,自己免疫水疱症では蛍光抗体法や免疫ブロット法,ELISA法などを組み合わせて施行して,自己抗体を検出することが可能である.上記のような手法を用いて正確な診断と病型分類を行うことは,個々の症例における病状経過や予後の推測,適切な治療法を選択する上でも非常に重要である.