2014 年 124 巻 5 号 p. 921-925
8歳女児.1歳時より左側腹部に限局する色素斑を認めていたが,3歳時に一部で浸潤を触れるようになったため生検したところdermatofibromaの像であった.緩徐に増大するため5歳時に8個の結節を一塊に切除したが,その後も色調が濃くなった部位に一致して結節が新生するという奇異な経過を呈した.現在までに4度の切除術を行い,計17個の病変を確認した.以上よりmultiple clustered dermatofibromaと診断したが,自験例はこれから思春期を迎えるため,一定期間新生が続く可能性が高いと考える.