日本皮膚科学会雑誌
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124 巻 , 5 号
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新・皮膚科セミナリウム 皮膚から診断する全身疾患
  • 西岡 清
    2014 年 124 巻 5 号 p. 901-907
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    皮膚は内臓状態を如実に表現する臓器として幅広く認識されている.しかし,皮膚科医自身,日常臨床の忙しさのため,その情報の十分な確認・情報提供が不足しがちである.内臓疾患を伴う皮膚症状は,内分泌異常や遺伝子異常など,同じ原因が作用して内臓障害と皮膚症状が引き起こしている場合と,腫瘍随伴性皮膚症状のように,腫瘍からのサイトカインや成長因子などの産生・活性化を通して皮膚症状を引き起こす場合とに大別される.多くの内臓病変が形成する皮膚症状は後者に属し,内臓病変による症状が出現するよりも早く皮膚に症状が出現し,内臓疾患の存在を検出できることが多いことから,皮膚科医による診療の重要性を示している.しかし,後者に属する皮膚症状の発症機序は,いまだ十分に解明されているとはいいがたい.今後,個々の症例の解析の蓄積によって,皮膚症状の発症機序が明らかにされることが期待される.本稿では,悪性腫瘍,糖尿病に伴う皮膚症状を例示し,遺伝子異常,内臓疾患と皮膚症状の関連についても解説した.
  • 宇谷 厚志
    2014 年 124 巻 5 号 p. 909-915
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    人は皮膚に痛み,かゆみを感じたり,形,色の変化がある時のみならず,まれに皮膚の硬さ・触感の変化に気づき,皮膚科を訪れる.本稿では,真皮細胞外マトリックス(ECM)の異常があると判断した際に精査すべき「全身」疾患について概説する.それらを念頭に置いて適切な諸検査を行うことで診断に近づくことが可能となる.真皮ECMの3つの主要成分である膠原線維,弾性線維,ムチンの異常を伴う疾患について述べる.
  • 三橋 善比古
    2014 年 124 巻 5 号 p. 917-920
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    デルマドロームdermadromeはWienerによる造語で,dermatologyとsyndromeを合成して作られた.Wienerは,医師たる者は全身疾患と皮膚症状の関係に注目すべきであると述べ,皮膚症状は内臓疾患の診断に役立つことを強調した.しかし,現在,欧米ではこの用語は使われていない.デルマドロームについての考え方が欧米とわが国で異なる.デルマドロームの歴史を述べ,内臓悪性腫瘍のデルマドロームをまとめた.デルマドロームはファジーだが便利な言葉である.日本の皮膚科用語としてさらに発展させ,世界に広めていくべきと考える.
原著
  • 宮内 俊成, 本間 英里奈, 秦 洋郎, 青柳 哲, 清水 宏
    2014 年 124 巻 5 号 p. 921-925
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    8歳女児.1歳時より左側腹部に限局する色素斑を認めていたが,3歳時に一部で浸潤を触れるようになったため生検したところdermatofibromaの像であった.緩徐に増大するため5歳時に8個の結節を一塊に切除したが,その後も色調が濃くなった部位に一致して結節が新生するという奇異な経過を呈した.現在までに4度の切除術を行い,計17個の病変を確認した.以上よりmultiple clustered dermatofibromaと診断したが,自験例はこれから思春期を迎えるため,一定期間新生が続く可能性が高いと考える.
  • 簗場 瑞貴, 藤沼 千尋, 伊原 千夏, 鈴木 貴子, 岩澤 うつぎ, 濱口 儒人
    2014 年 124 巻 5 号 p. 927-931
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    70歳,男性.両眼瞼が淡紅色浮腫状で,前額,内眼角,両頬,頭頸部に紫紅色斑,爪囲紅斑と爪郭部の毛細血管拡張がみられた.後頸部の生検像で表皮基底層の液状変性,真皮上層の血管周囲にリンパ球浸潤があった.CK, LDHがわずかに上昇し大腿,項部の軽度筋力低下があったが,筋電図と大腿部MRIでは筋炎所見を認めなかった.全身精査で間質性肺炎,悪性腫瘍の合併はなかった.プレドニゾロン内服にて皮疹とCK値上昇は速やかに改善した.後日,免疫沈降法で抗TIF1抗体と抗SRP抗体が共に陽性であることが判明した.
  • 森本 謙一, 高澤 信好, 壷井 聡史, 小林 紘子, 堀 郁子, 坂本 旭, 田中 了
    2014 年 124 巻 5 号 p. 933-937
    発行日: 2014/04/20
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル 認証あり
    59歳,男性.初診の9年前より体幹四肢に落屑性紅斑あり.臨床像,病理像より菌状息肉症(MF)と診断.ステロイド外用,紫外線療法にて治療開始した.初診の2年後,左側頭部に母指頭大の腫瘤あり急速に増大,生検にてMF腫瘤期と診断した.従来型の放射線療法の適応と考えたが,患者の経済的理由で施行できず.姑息的に腫瘤に電子線8 Gyを単回照射した.照射2週間後,腫瘤は壊死し,6週間後に上皮化した.MFの腫瘤に対し,通常の治療が適応できない場合,電子線単回照射は局所症状をコントロールする有効な手段となりうる.
学会抄録
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