日本皮膚科学会雑誌
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原著
熊本県における皮膚疾患患者の受療行動―2009年5月の国民健康保険診療報酬明細書調査報告より
牧野 公治尹 浩信黒田 豊
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2015 年 125 巻 1 号 p. 89-95

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抄録

現在日本の医療が抱える課題の1つに地域における医師の偏在がある.熊本県の対人口医師数は全体・皮膚科専門医とも平均より高いが地域間偏在は著しい.これを検討すべく2009年5月の国民健康保険診療報酬明細書データから熊本県二次医療圏毎の皮膚疾患患者の受療状況を調査した.自医療圏への受療率は熊本・八代・球磨医療圏は90%以上であったが阿蘇医療圏は22%であった.県北では熊本医療圏へ,阿蘇医療圏では菊池・上益城医療圏への受療も多かった.15~64歳の他医療圏受療率が比較的高かった.皮膚疾患を皮膚科が診療した割合は県全体で75%,熊本医療圏でも78%であった.

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