2016 年 126 巻 11 号 p. 2103-2108
41歳,男性.11年前に左足背と左下腿に青色結節が出現し,生検で偽Kaposi肉腫と診断された.以後,皮疹の新生なく経過していたが,再診の2カ月前に左足底に青紫色調の腫瘤が出現し,さらに止血困難な出血を伴う小潰瘍,足背から下腿にかけて急速に拡大する紫斑が出現した.病理組織像から血管肉腫と診断し,化学療法を行うも効果なく永眠した.11年前の足趾背病変の病理組織像を改めて検討すると,intermediate(中間群)の悪性血管腫瘍の像を呈しており,本症例は11年の経過を経て,悪性度の高い血管肉腫へ転化したと考えた.