2016 年 126 巻 8 号 p. 1439-1444
CD30は種々の細胞に陽性となり,特異性は乏しい.しかし,臨床およびHE像をしっかり掴み,免疫染色における分布を総合的に判断すれば有用である.本講では皮膚科領域でCD30が問題となる重要な項目を網羅して説明する.非腫瘍性皮膚疾患において,CD30が陽性となることは多々あるが,問題となる疾患は虫刺症やウイルス性疾患,急性痘瘡状苔癬状粃糠疹である.リンパ腫として関係してくるのは皮膚CD30陽性リンパ増殖疾患,菌状息肉症の大細胞転換,Hodgkinリンパ腫であり,それぞれの要点を述べる.