日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 皮膚リンパ腫関連疾患
3.IgG4関連皮膚疾患
戸倉 新樹
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2016 年 126 巻 8 号 p. 1445-1451

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抄録

IgG4関連疾患は,自己免疫性膵炎とMikulicz病に端を発し,その他全身種々の臓器病変が報告され提唱された疾患概念である.皮膚でもIgG4陽性の形質細胞が浸潤あるいはIgG4が沈着する疾患があり,IgG4関連皮膚疾患と呼ばれるようになった.IgG4関連皮膚疾患は多彩であるが,我々は7型に分けることを提唱した.すなわち,(1)皮膚形質細胞増多症,(2)偽リンパ腫/木村病,(3)Mikulicz病,(4)乾癬様皮疹,(5)非特異的紅斑丘疹,(6)高γグロブリン血症性紫斑/蕁麻疹様血管炎,(7)虚血指趾である.(1)~(3)は,IgG4陽性形質細胞が病変部に多数浸潤することにより形成される直接的な腫瘤としての「原発疹」である.(4)~(7)はIgG4陽性形質細胞あるいはIgG4による炎症自体が間接的に病変を導く「続発疹」と言える.

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