2017 年 127 巻 12 号 p. 2631-2640
過去約10年間に当科で柵状被包化神経腫と病理診断した19例について,臨床および病理組織学的事項を検討した.平均年齢53.1歳で性差はなく,平均腫瘍径は4.3 mm,発生部位は顔面が18例,手指が1例だった.病理組織学的所見では,大部分が真皮内に限局する腫瘍で,11例において腫瘍近傍に正常末梢神経が存在し,EMA染色を施行した16例中15例でEMA陽性の腫瘍被膜を確認できた.以上から腫瘍の神経内発生が示唆された.軸索の数はneurofilament染色を併用しても症例により様々だった.