日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム ウイルス性疣贅update
1.尖圭コンジローマとボーエン様丘疹症の病態と鑑別
石地 尚興
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2017 年 127 巻 3 号 p. 427-434

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抄録

尖圭コンジローマとボーエン様丘疹症はいずれも性感染症であり,ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus,HPV)感染症である.共通点もあるが,臨床像と病理組織像,HPVの型には違いがある.大きな違いは悪性化リスクであり,両者の鑑別は重要である.外陰部や子宮頸部から検出されるHPVの型は非常に多く,すべての症例でHPVの型を同定するのは現実的でない.これまでの定義に従い,臨床像と病理組織像から両者を鑑別するのが基本である.ただし,混合感染などいずれとも診断しがたい症例があることも知っておく必要がある.

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