2017 年 127 巻 3 号 p. 435-440
扁平疣贅はヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)感染により,主に青年期女性の顔面,四肢に生じる.多彩な臨床像を呈するため,診断に苦慮することが少なくない.顔面の扁平疣贅では特に脂漏性角化症との鑑別が問題となる.病理組織学的に特徴あるHPV特異的細胞病原性効果の存在が確定診断に至る.扁平疣贅が関与するHPV遺伝子型は現在まで10種類が発見されている.本稿では扁平疣贅を診断する際に特徴的な臨床所見や病理組織学的所見を述べ,鑑別の注意点や扁平疣贅の原因となるHPV遺伝子の最近の知見などについても概説した.