2017 年 127 巻 4 号 p. 615-620
31歳,女性.初診の3カ月前に顔面浮腫が出現し,難治のため当科紹介となる.顔面の浮腫および下腿の紅斑を認めたが血液検査では著明な異常はなく,CTにて軽度の胸水と脾腫を認めたが確定診断には至らず.その後,発熱や汎血球減少が出現し血球貪食症候群を疑い再度精査したところ血中EBウイルス抗体価とDNAの上昇および皮膚組織でEBER-ISHが陽性を認めたため慢性活動性EBウイルス感染症と診断した.成人においても難治性顔面浮腫に遭遇した際は本症も考慮し,EBウイルスの精査が必要と思われた.