2019 年 129 巻 12 号 p. 2519-2524
66歳女性.関節リウマチでメソトレキセート,プレドニゾロン,アバタセプトで加療中右下腿の結節を自覚し,同部の疼痛が出現した.その後,結節の中央が潰瘍化し,近傍に水疱が出現した.病理学的に結節部は肉芽腫性血管炎を認め, 水疱部はウイルス性の水疱であった.MTXとアバタセプトの中止で皮疹は改善した.両病変共に免疫染色でVZVが陽性,PCRにてVZVのDNAが検出されVZVによる肉芽腫性血管炎と診断した.免疫抑制患者に生じた肉芽腫性血管炎をみた際,VZV感染も念頭におく必要があると考えた.