日本皮膚科学会雑誌
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症例報告
塩酸バンコマイシン投与後に発症した線状IgA水疱性皮膚症の1例
星 郁里河野 亜矢乃山本 紀美子橋本 隆鶴田 大輔
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2019 年 129 巻 3 号 p. 349-352

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抄録

64歳,女性.肺炎に対して塩酸バンコマイシンの点滴を施行.点滴開始後15日目に体幹四肢に水疱を伴う紅斑が多発.抗Dsg1,3抗体,抗BP180抗体はいずれも陰性.病理組織検査にて表皮下水疱と,水疱内,真皮浅層に好中球とわずかな好酸球浸潤を認めた.蛍光抗体直接法では真皮表皮境界部に線状のIgAの沈着を認めた.塩酸バンコマイシン誘発性線状IgA水疱性皮膚症と診断した.薬剤中止後,皮疹は軽快した.塩酸バンコマイシンの使用頻度は今後も増加すると考えられ,本症の可能性を念頭におくことが必要である.

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© 2019 日本皮膚科学会
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