日本皮膚科学会雑誌
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原著
両足部皮下膿瘍を契機に診断しえた侵襲性肺炎球菌感染症の1例
高橋 玲子菊澤 千秋福山 國太郎杉原 英治
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2021 年 131 巻 3 号 p. 525-530

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抄録

67歳,女性.発熱と両足部の蜂窩織炎にて紹介受診.右足皮下膿瘍と血液培養から,肺炎球菌を検出し侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と診断した.抗菌薬の点滴,皮下膿瘍のドレナージを行うも39℃台の高熱が持続した.MRIで第4/5腰椎椎間板・後腹膜周囲・両側腸腰筋・両下肢の筋肉内に,膿瘍の多発を認めCTガイド下ドレナージ処置を追加した.肺炎球菌莢膜血清型は4型であった.皮下膿瘍の起因菌が肺炎球菌であることは稀である.同菌が皮下膿瘍から検出された場合には,IPDを疑い,他部位の感染巣も検索する必要がある.

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