日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
131 巻, 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
追悼
日本皮膚科学会診療の手引き
新・皮膚科セミナリウム 経皮感作とアレルギー
  • 猪又 直子
    2021 年 131 巻 3 号 p. 491-497
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

    近年,食物アレルギーの発症機序において経皮感作の重要性が認識されてきた.これまでに報告された経皮感作型食物アレルギーは5つに大別することができる.すなわち,(1)アトピー性皮膚炎乳児に発症する食物アレルギー,(2)美容性,(3)職業性,(4)動物刺咬傷によるもの,(5)動物飼育によるものである.前3者の感作源は食品やその成分であるのに対し,後2者は生きた動物由来の成分であり,食品との交差反応によって食物アレルギーが誘発される.

  • 峠岡 理沙
    2021 年 131 巻 3 号 p. 499-504
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

    食物アレルギーは経口摂取による消化管での感作が主体であると考えられてきたが,近年,皮膚を介してアレルゲンが侵入する経皮感作が注目されている.化粧品は皮膚の汚れを除去し,乾燥を防ぎ,外的刺激から皮膚を保護する働きを有している.その一方で,化粧品に含まれる食物由来成分あるいは食品と共通する成分により経皮感作が生じ,その食物を摂食し,アレルギー症状が出現した症例が報告されている.食物アレルギーの症例を診察する際には,化粧品による経皮感作によって発症した可能性を念頭に置いておく必要がある.

  • 千貫 祐子
    2021 年 131 巻 3 号 p. 505-509
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

    筆者らは,本邦における獣肉アレルギーの主要な原因抗原エピトープが米国からの報告と同様,糖鎖galactose-α-1,3-galactose(α-Gal)であることをつきとめた.さらに,マダニ唾液腺中に糖鎖α-Galを証明し得たことにより,本邦における獣肉アレルギーの感作原因がマダニ咬傷であることが推察された.獣肉アレルギー患者は,交差反応のために,カレイ魚卵や抗悪性腫瘍薬のセツキシマブに対してもアナフィラキシーを発症する.後者では死亡例も発生しており,我々臨床医は,マダニ咬傷による糖鎖抗原感作から生じる多彩なアレルギーに留意しなければならない.

原著
症例報告
  • 福士 瑠璃, 内山 真樹, 入澤 亮吉, 坪井 良治, 原田 和俊
    2021 年 131 巻 3 号 p. 531-536
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

    人工毛植毛により皮膚障害が生じることは知られているが,現在でも男性型脱毛症に対して人工毛の植毛が行われており,植毛部の皮膚障害を診察する際に患者自ら人工毛植毛の既往について申告しない症例も少なくない.今回我々は,人工毛植毛により生じた皮膚障害を4例経験し,臨床所見,トリコスコピー所見および病理組織学的所見をまとめ,人工毛植毛による皮膚障害の特徴とその機序について考察し,早期の病態把握の重要性について記す.

訂正
学会抄録
feedback
Top