2021 年 131 巻 9 号 p. 2023-2032
胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)を合併した全身性強皮症(SSc)の臨床的特徴について検討した.GAVE合併例では非合併例に比して抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性率とスキンスコアが有意に高く,ヘモグロビン値が有意に低かった.治療前後の比較ではシクロホスファミドパルス療法やトシリズマブがGAVEに有効である可能性が示唆された.SScの発症早期よりGAVEが出現した症例もあり,慢性貧血や重症の急性消化管出血を生じ得ることから,上部消化管内視鏡検査による早期スクリーニングが重要と考えられた.