2023 年 133 巻 3 号 p. 473-480
57歳,男性.来院の6日前より,38度台の発熱と四肢・体幹部の多形紅斑様皮疹が出現し,当科を受診した.高CRP血症,D-dimerの上昇,肺水腫を伴っていた.血液培養検査は陰性で,ペア血清にて各種ウイルス抗体価上昇は認めなかったが,日本紅斑熱の特異的IgG抗体価の軽度上昇を認めた.一方,末梢血単核球のPCR検査では日本紅斑熱リケッチアは陰性であり,日本紅斑熱に特異的な刺し口や典型的な皮疹もなかった.検査結果の矛盾から診断に苦慮し,次世代シーケンサー解析を施行した.その結果,末梢血単核球からRickettsia japonicaの遺伝子が検出され,日本紅斑熱と確定診断した.