日本皮膚科学会雑誌
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原著
洗濯衣類消臭目的のオスバンS(塩化ベンザルコニウム)不適切使用による接触皮膚炎の2例
増澤 真実子生野 麻美子中村 美夏鈴木 典子天羽 康之
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2023 年 133 巻 9 号 p. 2169-2175

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抄録

インターネットで話題になっている,洗濯衣類の生乾き臭予防目的に使用したオスバンS(10%塩化ベンザルコニウム液)による接触皮膚炎の2例を報告する.いずれも前医で診断と治療に難渋し,特異な浮腫性紅斑と強い色素沈着は衣類の密着部位に一致していた.両例とも約1年のオスバンS使用歴があり,中止により速やかに皮疹は軽快した.塩化ベンザルコニウムによる接触皮膚炎は点眼液によるものが知られているが,洗濯時の不適切使用により全身に皮疹を生じた例は本邦で報告がなく,注意喚起を要する.

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