2024 年 134 巻 1 号 p. 83-90
2011年~2020年に初期治療を目的に群馬大学皮膚科に入院した新規天疱瘡患者45例について診療録をもとに調査した.免疫グロブリン静注療法(IVIg)は45例中9例に実施しており,臨床像,治療歴,IVIg導入理由,治療効果,52週後および104週後のアウトカム,有害事象についてIVIg非実施例との比較も含めて検討した.IVIg実施群で治療開始8週後の抗デスモグレイン抗体価は有意に低下したが,アウトカムに有意差は得られなかった.本研究は少数例の後方視的研究でありさらなる検討が必要である.