2024 年 134 巻 1 号 p. 91-98
63歳,男性.中咽頭癌に対するニボルマブ導入10週後に体幹に搔痒を伴う紅斑を生じた.病理組織学的に真皮内に類上皮細胞とLanghans型巨細胞を含むサルコイド様肉芽腫を認めた.他臓器症状は認めず,血清アンギオテンシン変換酵素の値は正常であった.ステロイド外用剤のみで皮膚症状は軽快したが,甲状腺や膵臓にも免疫関連有害事象が出現したため最終的にニボルマブは中止された.免疫チェックポイント阻害剤による皮膚限局型サルコイド様肉芽腫は稀であり,そのメカニズムについても考察した.