日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 痤瘡・酒皶の病態と治療の最前線
2.酒皶の発症・病態メカニズムと最新の治療
山﨑 研志
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2024 年 134 巻 2 号 p. 297-303

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抄録

酒皶は,眉間部,鼻部・鼻周囲,頬部,頤部の顔面中央部に皮疹が分布し,脂腺性毛包を主座とする慢性炎症と毛細血管拡張を特徴とする疾患である.酒皶病態形成には,遺伝要因と環境要因の複数の因子が関与する.欧米人酒皶保有者のGWASでは,メラニン合成に関連する遺伝子とTh2系炎症反応に関連する遺伝子の関与が示されており,日本人酒皶患者にはハウスダストやヤケヒョウヒダニIgEを保有する患者が多い.メトロニダゾール外用薬が日本でも保険適用となり,酒皶の適切な診断と症候に併せた治療選択が望まれる.

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© 2024 日本皮膚科学会
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