日本皮膚科学会雑誌
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総説
基礎研究からみた皮脂欠乏症におけるヘパリン類似物質の作用メカニズム
中島 喜美子小幡 誉子小宮根 真弓青山 裕美
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ジャーナル 認証あり

2024 年 134 巻 6 号 p. 1645-1655

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抄録

皮脂欠乏症の治療に用いられる医療用保湿剤にヘパリン類似物質含有製剤がある.ヘパリン類似物質はコンドロイチン硫酸を多硫酸化させたムコ多糖(Mucopolysaccaride polysulfate, MPS)で高い吸湿作用及び保湿作用を有する.MPSは血流量増加作用,血腫消退促進作用,線維芽細胞増殖抑制作用など多様な薬理作用を有する.本稿では近年報告されたMPSの薬理作用を中心に治療薬としての作用機序についてまとめ,解説する.

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