日本皮膚科学会雑誌
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皮膚のチスチン代謝に關する實驗的研究
小林 完
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1957 年 67 巻 1 号 p. 28-

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抄録
從來より我々は皮膚代謝と含硫アミノ酸との関係について研究を行つて來ているが,今囘私はその1つであるチスチンについて色々實驗的研究を行つた.チスチンは皮膚代謝に極めて重要な物質で特に角化現象とチスチンとの關係については各方面にわたつて詳細に研究されている.他方臨床上でも種々の皮膚疾患にかなり廣範圍に使用されているに拘らず,そのうらづけに對する追求は皆無と云つてもよい.それ故に私は皮膚炎およびアレルギー性皮膚疾患とチスチンとの關係を追求する目的で家兎クロトン油皮膚炎の局所病巣,健常部皮膚,肝臓,血球および尿中のチスチン量を奥田氏法によつて測定すると同時に,アンペロ法によつて局所病巣および健常部皮膚のSH群を測定して兩者の關連性を追求した.又組織アレルギーの代表的反應であるアルツス現象に於てはその準備状態の皮膚,肝臓のチスチン量とSH群を測定し,更にアルツス惹起注射後における反應部皮膚,健常部皮膚および肝臓のチスチン量とSH群とを測定して準備状態におけると同様兩者間の關係を追求した.しかして此等チスチン量の病的動揺がチスチン製劑である強力パニールチン,綜合アミノ酸製劑であるマリアミン,乾燥血漿等の注射によつて如何なる影響を受けるかを檢討し,もつて臨床上各種皮膚疾患に對するチスチンの効果判定の一端を伺わんとした.
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© 1957 日本皮膚科学会
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