1959 年 69 巻 11 号 p. 1705-
乳兒には成人と異つた生活過程がある.從つて乳兒濕疹は成人の其れと比べ,臨床的・病理的に可成り違つた処見を呈することは既に先人が指摘して居る.乳兒濕疹の病因にアレルギーの占むる役割が大きいであろうことは何人も否定し得ぬ所であるが,アレルギー準備性なる言葉が特に乳兒濕疹に強調せられるのも(高橋),乳兒の栄養,生活過程の特殊性が考慮された爲であろうと思われる.余等は数年来成人の濕疹,皮膚炎のB1代謝に就て調査し其の一部を発表したが,今囘は乳兒のB1代謝について述べたいと思う.