日本皮膚科学会雑誌
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69 巻 , 11 号
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  • 内田 勉
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1601-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
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    痒感の本体即ちその感覚生理学的解釋については從来から触覚説,痛覚説,自律神経説,特殊神経説等あつて未だその一致を見なかつたことは周知のことであるが,今日では痛覚説(Torok等)に左袒する学者が最も多く,近年に至つては殊にRothman,Bishop,Graham等,山碕等の報告が目に立つ,その詳細は夫々の報告に譲ることにするが,病的,実驗的の如何を問わず瘙の発生に対して局所の末梢血管及び自律神経線維が直接関與するか否かは古くから更に現在もなお後述の如く問題とされ,このことにはまた皮膚科臨床に於て種々の自律神経毒乃至血管運動惹起性藥剤或は皮膚温の変動等が臨床的瘙に影響を及ぼす場合の稀ならざることも加勢しているであろう.從つてこの方面即ち血管運動反應及び皮膚温が瘙と如何なる関係にあるかは実驗的に詳細に研究される必要がある.從来詳細な観察に乏しかつたのはその実驗方法乃至観察方法に適当なものがなかつたゝめであろう.こゝに於て著者は近年山碕教授によつて案出されたHistamine表皮十字切法による痒感閾値(以下「痒閾」と記載)の測定法を應用し,先ず正常皮膚に於て各種の自律神経剤乃至血管運動惹起性藥剤の痒閾に及ばす影響,局所的人工的に惹起された皮膚小血管の擴脹及び透過性亢進そのものゝ起痒性の有無,並びに血流変動及び皮膚温変動の痒閾に及ぼす影響につき檢索し,次いで瘙性皮疹上に於ける臨床的の所謂Itchy Skin並びに実驗的Itchy Skinの狁態に対する温刺激,血管擴脹剤及び収縮剤等の影響につき観察し,血管運動反應並びに皮膚温と痒感との関係の真相を或程度追究することが出来たので,こゝにそれらの成績を報告する次第である.
  • 斉木 林之介
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1629-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
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    汎発性膠原病(Klemperer,Pollack & Baether.,1942)なる名称が,病理組織学的に結合織,殊にその結合基質のフイプリノイド変性を主徴とする急性乃至慢性の系統的疾患群に與えられて以来,その代表的疾患である急性エリテマトーデスの本群に関する研究は,單にエリテマトーデス1疾患のみでなく,他の膠原病の本態に関連するものとして活発な追求がなされている.特にHargraves(1948)の所謂LE現象の発見が,エリテマトーデスの診断に重大なる意義を有することが確認され,LE現象陽性なる爲に皮疹の発現を欠如していても,エリテマトーデス無疹型として取り扱われる傾向が強くなり,エリテマトーデスへの関心は單に皮膚科学のみならず,内科学領域に於ても急速に昻まつて来たと言えよう.エリテマトーデスの病因に関しては,Besnierの結核説提唱以来,梅毒説・中毒説・細菌感染説,感染・非感染性アレルギー説,腦下垂体・副腎皮質ホルモン障害説等を経て膠原病説への発展を示したことは周知の如くである.最近西村(昭32)に依りフエニールアラニン・チロジン代謝が膠原病に共通な特異所見であることが立証され,膠原病の病因解明へ,惹いてはエリテマトーデスの本態の解明に新分野を拓いたとは言え,此の中間代謝障害が病因に対して1次的な意義を有するものか,或は2次的な変化であるかについては,疑義の介在を否定し得ない.更に又,各種膠原病に共通の病因々子的事象を確認し得たとしても,個々の疾患に於ける臨床像の著しい相違を如何に解釋するかは,今後に残された課題であろう.著者は最近千葉大学皮泌科及び第1内科・第2内科に於て死亡せる急性エリテマトーデスの4剖見例の病理組織学的所見を詳細に観察する機当を得たので,・にその大要を記載し併せて卑見を加えたい.
  • 広川 浩一
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1656-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
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    1)正常人血液を脱線維,遠心分離して得た白血球層(白血球浮遊血清)を37℃に保温した後好酸球の遊走機能を検索し,その遊走速度は全血を用いた場合の略々0.7倍に低下し,且つ2~4時間後に運動停止することを知つた.2)正常人血清を獣炭末又はカオリンに吸着せしめたものを誘引標的とし,これに対する正常人白血球層中の好酸球の態度を観察し,正常人血清は好酸球誘引性を欠くことを確かめた.3)血中及び組織中に好酸球増多を示すことの多い皮膚疾患37例,好酸球性骨髄症1例の各血清及び3匹の蛔虫体腔液をカオリンに吸着せしめたものを誘引標的とし,これに対する正常人白血球層中の好酸球の態度を観察し,次の成績を得た.a)血中好酸球増多を示す例の略々3/4はその血清に好酸球誘引因子を含んでいた.b)組織中好酸球増多を示す例の略々2/3はその血清に好酸球誘引因子を含んでいた.c)更に,血中に好酸球増多あり且つ組織中にも好酸球増多ある例の大多数はその血清に好酸球誘引因子を含んでおり,その多くは慢性,非感染性,汎発性疾患であつた.d)血中に好酸球増多なく且つ組織中にもそれを欠く例の大多数はその血清に好酸球誘引因子を含まなかつた.e)好酸球性骨髄症の1例の血清は好酸球誘引因子を含まなかつた.f)蛔虫体腔液は好酸球誘引因子を含んでいた.4)皮膚に或る種の障害乃至刺戟が加わると皮膚から好酸球誘引因子が遊離し,これが一方組織中好酸球増多を惹起すると共に,他方血中好酸球増多の因をもなす可能性を推測した.
  • 宮本 正光
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1667-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
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    高等脊椎動物に於ける網膜色素上皮の生化学的研究は比較的少数であり,その本態は近年迄不明の点が多かつた.併し乍ら一般には色素上皮の色素はフエノール誘導体の酵素的酸化による重合体であるメラニンであるとする説が有力であつた.その根據の第1はAlbinismus totalisの際色素上皮に色素の欠如が観察されることで,この場合表皮毛髪等のメラニンも同様に形成されない事実より網膜色素上皮の色素も遺傳的酵素学的観点よりメラニンと同一の機序により形成される可能性が大である事である.第2の根據は1923年Miescherが鶏,モルモツト,家兎の網膜色素上皮に“dihydroxyphenylalanine(dopa)oxidase”の存在を組織化学的方法により証明した事実である.一方皮膚,毛髪に於ける色素も古くはBlochのdopa oxidase説が廣く認められていたが,近年に至り,Fitzpatrick等,Kukita等はdopa oxidase活性は実にtyrosinase活性である事は明らかにして該部のメラニンはtyrosine-tyrosinase反應により形成される事を明らかにした.
  • 占部 治邦, 中野 進
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1676-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    糸狁菌の光学顯微鏡(以下光顯と略す)による観察はすでにあらゆる方面から充分になされているが,それにより観察しうる範囲にはおのずから限度があり,よりすすんだ観察をおこなうためには電子顯微鏡(以下電顯と略す)を利用する必要がある.しかし現在なお電顯による糸狁菌の研究はほとんどおこなわれておらず,その標本作成にあたつての各條件も一定した結果が発表されていない.われわれは1部の糸狁菌について種々の條件で標本を作成し,もつとも適当と思われる條件で観察をおこない,ある程度の知見をえたので報告する.われわれのこころみた標本作成方法は完全なものではもちろんなく,この点今後一層の改良を必要とする問題である.なお今囘は糸狁菌に関する問題を総括的にのべ,菌体構成の各要素の性狁,菌増殖時の形態的変化その他の各論的問題に関しては別の機会に報告の予定である.
  • 林 敬
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1691-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    三浦および楠はCrystal violet吸収能を檢することによつてCandida albicansの病原性を判定しうるとなした.井上は更に多数の色素を用いてこの成績を追試し,Triphenylmethane系とDiphenylmethane系色素にのみこの特性が証せられると記した.然し兩者共にかゝる現象の認められる色素の濃度の範囲の甚だ限られていることに注意を向けていた.そこで私はこの現象が一時的のものであるか,固定したものであるかを檢索しようと企図し,井上の用いた菌株を條件を変えて繼代培養して10代目に至らしめた上,同一の色素について一実験を行つた.以下にその成績を記したい.
  • 竹内 勝, 麻生 和雄, 三橋 慎一, 岡本 昭二, 片山 喬, 内海 滉
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1705-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    乳兒には成人と異つた生活過程がある.從つて乳兒濕疹は成人の其れと比べ,臨床的・病理的に可成り違つた処見を呈することは既に先人が指摘して居る.乳兒濕疹の病因にアレルギーの占むる役割が大きいであろうことは何人も否定し得ぬ所であるが,アレルギー準備性なる言葉が特に乳兒濕疹に強調せられるのも(高橋),乳兒の栄養,生活過程の特殊性が考慮された爲であろうと思われる.余等は数年来成人の濕疹,皮膚炎のB1代謝に就て調査し其の一部を発表したが,今囘は乳兒のB1代謝について述べたいと思う.
  • 竹内 勝, 麻生 和雄, 片山 喬
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1724-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚B1の所在については今迄に知られる事がなかつた.余等は螢光顯微鏡的檢索(荒木,Sjostrann)によつて初めてこれを明らかにするを得たので其の大要を報告したいと思う.
  • 麻生 和雄
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1732-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    余は毛髪とビタミンB1(以下B1と略)の関係を調査し,特に有色素毛髪に多量のB1を証明する等興味ある成績を得たので,それ等について報告し併せてB1と色素の関係を若干檢討したので其の大要を記述したいと思う.
  • 竹内 勝, 麻生 和雄, 片山 喬
    1959 年 69 巻 11 号 p. 1742-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚疾患の際ビタミンB1(以下B1)代謝に変化を認めるものが尠くないことは余等が前報に反復して述べた通りである.皮膚組織のB1代謝を究明する一法として,余等は先に(第5編參昭)螢光顯微鏡を用い局所のB1を組織化学的に証明する方法を紹介したが,局所皮膚B1を化学的に定量することもそれに劣らない程の重要性がある.しかしながらその定量法に難点があり実施が困難な爲,人の皮膚B1の測定報告は,僅かに1,2の報告をみるに過ぎず,面も其の内容は1,2例の檢査成績の記載に止る(Williams,大森).最近,川淵は皮膚B1測定法に就て論じ,併せて9例の腋窩皮膚B1量の定量成績を発表している.余等も年余に亘りその定量に從い,若干の成績を得たので報告したいと思う.
  • 1959 年 69 巻 11 号 p. 254e-
    発行日: 1959年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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