日本皮膚科学会雑誌
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異型類乾癬の1例
出村 光一小黒 昭雄
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1961 年 71 巻 2 号 p. 175-

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抄録
一群の類乾癬を整理,分類したBrocq(1902)は類乾癬の皮疹の性状を次の如くに説明している.臨床的には,「その経過が緩慢であつて全身症状を欠き,又瘙も全く或いは殆どこれを認めない.病変は表在性であつて,浸潤は全く或いは殆どこれを欠き,唯皮膚の発赤と粃糠様の落屑を認めるのみである.時には落屑も認められない場合がある.そして局所療法に極めて抵抗を示す.個々の皮疹の大きさは帽針頭大から扁豆大或いは手掌大,更にそれ以上の大きさを示す.」そしてこの類乾癬を彼は三つの型に分類しているが,parapsoriasis en gouttes(parapsoriasis guttata)はその第一型であつて,「点状乾癬又は浸潤を欠如せる丘疹性乃至丘疹性落屑性梅毒疹に酷似する.皮疹は孤立せる小点状或いは僅かに落屑を伴う丘疹で,播種状に散在する.」Brocqのいうparapsoriasis en gouttesは,Juliusberg(1899)の記載したpityriasis lichenoides chronicaと同じものとされる.他の二つの疹型は,parapsoriasis lichenoides,同じくen plaquesである.私共がこゝに報告する症例は,Brocqの第一型parapsoriasis guttata,即ちJuliusbergのpityriasis lichenoides chronicaの亜型であつて,pityriasis lichenoides et varioliformis acuta(Habermann),parapsoriasis varioliformis(Wise),或いはしばしばMucha-Habermann氏病等として報告されている比較的稀な疾患で,落屑性の丘疹の他,水疱形成,結痂等多彩な皮疹を示す.その経過も急性であり,数週間から数カ月で治療消失を示すものから時にはしばしば再発をくり返して数年に及ぶものも知られている.急性にくる場合,発疹は卒然として現われ,水疱,膿疱,結痂性病変,出血性病変,或いは表在性の潰瘍等を生じ,これら病変は治癒後天然痘様の瘢痕を残す.このような皮膚変化の他,類乾癬に見られる落屑性の丘疹を同時に発生する.全身症状はこれを欠くか,或いはあつても軽度である.又,青壮年男子に見ることが多く,予後は良好であるといわれる.
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© 1961 日本皮膚科学会
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