日本皮膚科学会雑誌
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71 巻 , 2 号
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  • 森下 琢郎
    1961 年 71 巻 2 号 p. 103-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
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    血清中に高分子の含水炭素含有成分が存在する事実は既に古く前世紀末から認められていたが,この方面の研究が華々しい展開をみたのは比較的近年のことに属する.即ち血清中には多種多様の糖蛋白複合体の存在が認められ,その化学的構成や生理的意義更に起源或は代謝経路に就いて解明のメスが着々加えられつゝある.しかしながらこの分野の研究に大きな障害となるものは分類や名称に統一を欠く点で,各人各様の感すらあることは困惑する所である.Meyer,Stacey,正宗等の記載が一般に知られているが,Meyerによるとヘキソサミンを含有する高分子の多糖類をmucopolysaccharide(ムコ多糖類)と称し,蛋白と酸性ムコ多糖類の有極性結合即ち結合の容易にはずれる形のものをmucoprotein(ムコ蛋白),ヘキソサミン0.5%かそれ以上含有して蛋白質と強固に結合したものをglycoprotein(糖蛋白)と称し,ヘキソサミンの多寡により之をglycoids及びmucoidsにわかつている.かゝる分類に従うと,正常血清中酸性ムコ多糖類はきわめて少く6mg per litreといわれ(Badin,Bollet et al.),多糖類の大部分は糖蛋白の型で存在する.血清糖蛋白には多くの種類があるが,化学的構成が比較的明確なものにorsomucoid(オロソムコイド)(Weimer,Mehl & Winzler,Schmid)が知られるが,これはsmall acid glycoprotein,crystalline α1 glycoprotein,又はM-1と呼ばれ,Winzlerら12)のいう血清ムコ蛋白も恐らく異名同質のものと考えられる.即ちWinzler一派は1948年人血より過塩素酸で血清蛋白をおとし,その濾液に就き燐タングステン酸或はアルコールで沈澱する分劃をムコ蛋白と命名したが,後年このものもゼロムコイド分劃と見做す方がいいと述べている(1955).蛋白結合多糖類は血清糖蛋白の種類によりその配合比を夫々異にするもので,最近ではSchultzeらの詳細な研究もあるが,上記のオロソムコイドではヘキソサミン,ガラクトース,マンノース等分子及び少量のフコースからなるといわれる.その他,かなりの量のシアリン酸が含まれることがわかり,本物質が強い酸性の等電点を有するのはその為と考えられている(Odin & Werner).又正常血清のゼロムコイド量はヘキソースとして12mgで血清の全蛋白結合ヘキソース量の約10%をしめる9).かゝる多糖類の血清蛋白分劃に於ける分布に就いては電気泳動や塩析法等による多くの研究があり,一般にヘキソース,ヘキソサミン,シアリン酸はα1-,α2-及びβ-グロブリン分劃に多いといわれ,フコースはγ-グロブリン中に比較的多量結合するといわれる.蛋白結合多糖類の起源に就いては未だ充分解明されていないが,組織の酸性ムコ多糖類との関係が考えられる.炎症或は腫瘍の際,血清多糖類の増加する事は多くの人の認める所で,かゝる病的条件下では組織内基質の
  • 森下 琢郎
    1961 年 71 巻 2 号 p. 116-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    前編では各種皮膚疾患患者の血清蛋白ヒキソース及びヘキソサミン量を測定したが,二,三の疾患をのぞいては疾患別の特色を求めることは無理な様であつた.その原因として一つには局所皮膚病相の如何即ち血清多糖類の起源として皮膚多糖類との関係が論じられると共に,他方では全身的影響とくに肝機能或は内分泌に左右される所が大きい為と考えられる.そこで本編では家兎に於いて漆実験的皮膚炎及びArthus現象を惹起せしめ,血清蛋白結合ヘキソース及びヘキソサミンの消長を観察すると共に,実験的肝障害及びACTH,コーチゾン投与による影響を検索した.
  • 竹内 勝, 小林 健正, 斉藤 寿
    1961 年 71 巻 2 号 p. 124-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
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    天疱瘡をあらゆる附属物から解放して,判然たる疾病概念とせんとしたHebraの努力についで,Duhringにより従来不明とされていたか,あるいは誤つて他の既知の疾患に入れられていた症候群に対して疱疹状皮膚炎なる名称が提起されて以来,既に80年を経た.本症の命名は臨床的形態学に基いた為,その独立性あるいは病因論には多くの疑問が残されている.しかして本症が長期間続いたものや,経過の珍らしいものに就ての症例報告は文献上多数認められるが,総括的な観察に就ての記載は少ない.わたくしどもはKaposiとBrocqとの対立以来解決を見ない本症の論争点に些かでも資料を提供し得ればと思い,最近5年間に我教室外来を訪れ,Duhring氏疱疹状皮膚炎(以下D.h.と略す)と診断された症例について総括せんと試みた.
  • 伊藤 勇
    1961 年 71 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
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    第Ⅰ篇では表皮角化に対する一つの指標と考えられるSH基の分布及びこれと関連してSS基及び核酸の分布に関する検索が健常皮膚に就て行なわれた.その結果,掌蹠の稍々特異な所見を除くとこれらの分布の性,年令,体部位による差異は殆ど指摘し難いことを知つた.本篇では所謂角化症に属している皮膚疾患に就て第Ⅰ篇と同様の組織化学的検討を行い病的角化を示す表皮に於けるSH基等の分布を健常皮膚のそれと対比するとともに更に角化現象に伴つてその分布に種々の変動を示すと云われる表皮グリコーゲンの消長をも併せ観察し表皮角化の本態を追求せんと試みた.
  • 伊藤 勇
    1961 年 71 巻 2 号 p. 149-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
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    蛋白結合性SH基の組織化学的証明法として従来より広く用いられているものにニトロプルシつド法(Giround & Bulliard 1932)及びフェリシアナイド法(Chevremont & Frederique 1943)がある.フェリシアナイド法は組織内に於ける呈色がかなり濃くSH基の組織化学的認定には好適とされているが染色特異性に稍々乏しく,適当な対照染色(Spier)或はSH基封鎖法(Goldblum et al.,Pearse)によるSHの確認を必要とする.1951年Bennettは1-(4-Chloromercuri-
  • 出村 光一, 久保 縁
    1961 年 71 巻 2 号 p. 155-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    1951年にWilkinsonは,chronic vesicular impetigo of the trunkという表題で,高令の婦人にみられた2症例を報告している.即ち躯幹,大関節屈側面に膿,水疱性の皮疹が群生し,次第に遠心性に拡大して連圏状,或いは不規則地図状になり,皮疹はやがて結痂を形成する.病変はその辺縁部に於て殊に著明である.自覚症状は特記すべきものではなく,全身状態も良好である.組織学的所見としては,角層下に水疱形成があつて,その中に多核白血球を入れる.真皮に軽度の炎症々状をみるが,その他に特記すべき所見は無い.水疱内容の培養を行つて,その1例にStaph. aureusを証明している.治療としてはD.D.S.或いはsulfapyridineが効果的であつたが,再発の傾向があつた.この報告に対してSneddonは,彼が矢張り全く同様の症例を1947年の国際医学会の席上に供覧したが,同席せる皮膚科医諸氏,何れもその診断を附するのに困難を覚えたことであつた,と追加発言した.その後1956年にSneddon and Wilkinsonは,この様な症例を6例集めて観察し,これ等は,在来の分類では,その位置付けが困難である,一つの独立疾患に属するものと見做さるべきであるとなし,そのclinical entityに対してsubcorneal pustular dermatosis(S.P.D.)なる名称を用いて詳細に報告した.かくして独立疾患としての本症の輪廓が次第に明かになるや,その後は相次いで類似症例の報告がみられ,現在に至る迄に欧米では27例,本邦では我々の症例の他に去る1959年9月の東京地方会に於て,横浜警友病院から1例の供覧患者が報告されている.我々の症例も1959年10月の第23回東日本連合地方会,並びに第155回日本皮膚科泌尿器科学会新潟地方会に於いて報告されたものである.
  • 三浦 祐晶, 小野 塚仡, 松尾 肅, 芝木 秀臣
    1961 年 71 巻 2 号 p. 166-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    Candida albicansによる皮膚candida症はいくつかの病型に分けられるが,一定部位に限局しない汎発感染型も多く報告されている.しかしながら角質増生を伴なう型は比較的稀である.即ちmonilial granulomaとしてHauser-Rothmanが13例を集めて記載しており,本邦でも桜根の報告例,大原-田村の症例などはこれに似ている.われわれも最近顔面ではmonilial granulomaの型をとり,躯幹では斑状小水疱性白癬に似た皮疹を生じ,高度の爪の変形を来した女児例を長期に亘つて観察することが出来たので報告する.
  • 出村 光一, 小黒 昭雄
    1961 年 71 巻 2 号 p. 175-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    一群の類乾癬を整理,分類したBrocq(1902)は類乾癬の皮疹の性状を次の如くに説明している.臨床的には,「その経過が緩慢であつて全身症状を欠き,又瘙も全く或いは殆どこれを認めない.病変は表在性であつて,浸潤は全く或いは殆どこれを欠き,唯皮膚の発赤と粃糠様の落屑を認めるのみである.時には落屑も認められない場合がある.そして局所療法に極めて抵抗を示す.個々の皮疹の大きさは帽針頭大から扁豆大或いは手掌大,更にそれ以上の大きさを示す.」そしてこの類乾癬を彼は三つの型に分類しているが,parapsoriasis en gouttes(parapsoriasis guttata)はその第一型であつて,「点状乾癬又は浸潤を欠如せる丘疹性乃至丘疹性落屑性梅毒疹に酷似する.皮疹は孤立せる小点状或いは僅かに落屑を伴う丘疹で,播種状に散在する.」Brocqのいうparapsoriasis en gouttesは,Juliusberg(1899)の記載したpityriasis lichenoides chronicaと同じものとされる.他の二つの疹型は,parapsoriasis lichenoides,同じくen plaquesである.私共がこゝに報告する症例は,Brocqの第一型parapsoriasis guttata,即ちJuliusbergのpityriasis lichenoides chronicaの亜型であつて,pityriasis lichenoides et varioliformis acuta(Habermann),parapsoriasis varioliformis(Wise),或いはしばしばMucha-Habermann氏病等として報告されている比較的稀な疾患で,落屑性の丘疹の他,水疱形成,結痂等多彩な皮疹を示す.その経過も急性であり,数週間から数カ月で治療消失を示すものから時にはしばしば再発をくり返して数年に及ぶものも知られている.急性にくる場合,発疹は卒然として現われ,水疱,膿疱,結痂性病変,出血性病変,或いは表在性の潰瘍等を生じ,これら病変は治癒後天然痘様の瘢痕を残す.このような皮膚変化の他,類乾癬に見られる落屑性の丘疹を同時に発生する.全身症状はこれを欠くか,或いはあつても軽度である.又,青壮年男子に見ることが多く,予後は良好であるといわれる.
  • 西村 栄雄
    1961 年 71 巻 2 号 p. 183-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
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    自律神経系は内分泌,精神現象等と相互に密接なる関係を保ちつゝ,あらゆる生体現象を支配している事は周知のところであり,古来,各科領域に於ける疾患の発症に関与する因子として常に問題視されて来ており,皮膚科領域に於いても多数の業績が輩出している.この間,自律神経系機能検査法に関しても今日まで種々の方法が案出提唱されているが,1936年Manoiloffは実験的に交感神経,迷走神経を化学的色彩反応により鑑別し,更に脊髄前根,後根に対しても同反応を行ない両者を区別することに成功し,1940年には血清に於いても交感神経緊張亢進(交感亢)或いは副交感神経緊張亢進(副交感亢)の状態により夫々異つた色彩反応を呈することを証明した.その後,1953年,P.Krollはこの反応の敏感度を高める方法を発表し,本邦に於いても諸家によりこの色彩反応に対する種々の変法が行なわれ,これを数量的に現わす方法が試みられている.勿論この方法も従来のそれと同様,一長一短があり,単独では複雑なる自律神経系機能を正確に,動的に把握することは困難であり,この点は近年に於けるWenger氏測定法の如き所謂因子分析法でも諸種の制約を免れないことが指摘されているが,私は,今回,Manoiloffの原法と光電比色計を用いる方法を対比し,Aschner反応,薬物学的検査法及び直流皮膚電気抵抗値測定を併せて行ない,健常人並びに各種皮膚疾患患者740名に対して,種々の角度から自律神経機能の検索を試み,更に二,三の臨床検査成績との関係,自律神経毒及びその他数種薬剤負荷等によるManoiloff反応の変動等について観察を行なつたのでこゝに報告する.
  • 1961 年 71 巻 2 号 p. 205-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
  • 1961 年 71 巻 2 号 p. 211-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
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