日本皮膚科学会雑誌
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3剤(ペニシリン,蒼鉛,砒素)同時併用駆梅療法に就いて
小野 敬
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1962 年 72 巻 3 号 p. 262-

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抄録
・15年以来Penicillinは駆梅療法の主要薬と見做されている.殊に初期,顕症,先天性初生児梅毒に対して即効的成果を挙げるので,その効果が過大に評価せられ勝ちであつた.然し第2潜伏期,後期梅毒に対しては,Penicillinの単独療法のみに依つては,充分にして,且つ満足なる成果をあげることが仲々困難である.此処に駆梅療法の問題点が残されている,其結果,2剤併用療法と呼ばれる治療法が,先ず施行された.1.Penicillinと蒼鉛剤2.砒素剤とPenicillin3.Penicillinと他の抗生物質(ストレプトマイシン,オキシテトラサイクリン,クロラムフェニコール,クロールテトラサイクリン)等,然しこの2剤併用療法も尚完全と言う事が出来ないので此処に新らしく,Penicillin,蒼鉛剤,砒素剤の3種薬の同時併用が試みられた.著者もまた此3剤同時併用治療を開始し1955年に至つて或程度の成果を収めたと認められたので,「性病」40巻,第1号で,Penicillin,蒼鉛剤,砒素剤の同時併用駆梅療法に就いて,第1回報告を行つた.当時,症例僅かに14例に過ぎなかつたが,其の内10例が9ヵ月間の注射で陰転した.其の後,宮城県気仙沼市大島に於て,梅毒血清陽性患者176名に就いて,昭和31年11月から同33年5月迄の満1年6ヵ月に亘つて,此の3剤同時併用駆梅療法による集団診療を行つた.其の後,仙台地区及び塩釜地区に於ても同様の治療法を施行した.本篇に於てはこの3剤同時併用療法による治療成績に就いての考察が行われた.
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