抄録
肝機能が皮膚病変の内的要因として密接不可分の重要な役割を演ずることについては古くより注目され,現在迄多くの臨床的,実験的検索,検討が加えられて来たが,その相関の詳細については未だに不明の点が多く充分に解明されたとは云えない.私はその関係の一面を明らかにする目的で,先に臨床的に諸種の皮膚疾患についてその肝機能を検索し,いささかの所見を得たが,引きつづき実験的に家兎を用いてその人工皮膚炎について以下の実験を行つた.すなわち,まず,クロトン油による人工皮膚炎家兎について,その肝機能を局所病変の経過を追つて測定し,次にはあらかじめ四塩化炭素をもつて肝機能を障碍した人工皮膚炎家兎における肝機能の変動を検索し,さらには,合成副腎皮質ホルモンを投与すれば人工皮膚炎家兎肝機能並びに肝障碍人工皮膚炎家兎の肝機能がいかなる態度を示すかを観察した.以上の実験の成績を若干の考察を加えて報告する.