日本皮膚科学会雑誌
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メラニンの生成について
清寺 真
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1963 年 73 巻 1 号 p. 1-

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抄録

哺乳類のmelanin生成が,melanocyteとよばれる皮膚の基底細胞層に存在する特殊な細胞によつて行われ,出来上つたmelaninは顆粒の形で他の有棘細胞や基底細胞に分泌される事が近年明らかとなつてきた.従つて皮膚の色を支配する色素melaninは,主に有棘細胞又は基底細胞の内に存在するそれであつて,その量的差異によつて黒人から白人までの系列が生じているのである.Melaninの持つ主な生物学的意義は,露出部位に好発する癌や老人性皮膚を考える時,日光光線より生体を保護する事を第一にあげる事が出来よう.

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© 1963 日本皮膚科学会
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