抄録
ここに報告する4症例は臨床的に顔面,肘,鼠径部あるいはその他の部位に発生する皮膚腫瘤で,組織学的にリンパ濾胞様構造の増殖と好酸球の増多を主徴とする特異な疾患である.われわれは昭和31年以来かかる症例に遭遇して文献を渉獵していた際,遇々木村(哲)らが昭和23年に“リンパ組織増生変化を伴なう異常肉芽腫”として症例を報告,次いで飯塚が昭和34年“好エオジン球性リンパ腺炎およびリンパ肉芽腫症”として一種の表在リンパ節の腫大せる症例を記載,うち3例に木村らの症例並びに後にわれわれの経験した症例と同症と考えられる病変を報告しているのを知つた.当時かかる特異な皮膚病変は皮膚科領域で未だ記載されていないところから,昭和35年2月第383回東京地方会に報告,その後“皮膚科の臨床”誌においてリンパ濾胞の増殖を主徴とする皮膚疾患との関衈において上記の症例の概要を紹介した.それ以後皮膚科領域での本症の報告が散見されるようになつてきた.