日本皮膚科学会雑誌
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皮膚のビタミンB6,特に,その皮膚内活性化について
荒田 次郎
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1966 年 76 巻 3 号 p. 135-

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抄録

ペラグラ予防因子がニコチン酸及びニコチン酸アミドであることが判明したのは,1937年Elvehjemによつてであるが,これと並んで1930年代B2,B6,ビオチン,パントテン酸等が,動物実験により抗皮膚炎作用を有することが明らかにされていつた.当時は,これらビタミンの生化学的意味は多くの場合不明であつたが,多くの皮膚疾患がビタミン欠乏と関連して考えられた.その後ビタミンの生化学は大きく進歩したが,皮膚とビタミンの関係は依然として未解決の点が多く,便利なためにComelの提唱したparavitaminosisなる概念のもとに,皮膚疾患の治療にビタミンが用いられている現状である.著者は,古くより脂漏性皮膚炎と関連づけて論ぜられているビタミンB6をとりあげ,皮膚との関連の一端を解明しようとした.

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© 1966 日本皮膚科学会
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